Osaka university
  Graduate school of Medicine 
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脳研究のよろこび

笠松卓爾 著「脳研究のよろこび」ver 1.1について

佐藤宏道
大阪大学医学系研究科認知行動科学

 
 これは主に米国を拠点に長年にわたり視覚系およびその可塑性の研究に従事してこられた笠松卓爾先生(米国スミスケトルウェル視覚研究所)が、これまでのご自身の研究生活に基づいて、生命科学研究、科学哲学、人との交流、米国の事情、世界の動きなどさまざまの角度からまとめたものです。特にジャック・ペティグリューと共に大脳皮質の可塑性における内因性物質(ノルアドレナリン)の役割を世界に先駆けて明らかにし、可塑性の細胞機序と活動依存性の関係を追求する一大潮流を作った研究の過程は迫真の描写です。現役の神経科学者にとって興味深いエピソードや深く共感する研究上の困難やよろこびのシーンに満ち、また神経科学を志す若い人たちにとっては、脳を研究対象として広い世界に飛びだし、多くの研究者たちとの交流を続けてこられた笠松先生の姿が大きな励みになることと思います。なお笠松先生は私(佐藤宏道)が大学院生時代お世話になった大阪大学医学部高次神経研究施設神経生理学教室(故岩間吉也教授)の先輩であり、多くのことを教えていただきました。本稿は故岩間吉也先生が生前に、神経科学が飛躍的に発展した時期の記憶を、世界に勇躍乗り込んだ日本人研究者の立場でまとめてはどうかということを笠松先生に勧めたことにより、まとめられました。笠松先生の経験と智慧を多くの人たちと共有したいと思い、私どものHPに掲載させていただきます。笠松先生の作業は、4年前にほぼ終わっていたのですが、佐藤の作業が遅れてしまい、この貴重な記録を世に送り出すのが遅くなりました。心よりお詫び申し上げます。
 
 全体は左の2章で構成されます。PCでの閲覧を推奨いたします。

今後の改版に伴い、本ページは不定期に更新されます。ブックマークしていただき、時々御覧ください。

Copyright T, Kasamatsu.

本編

Chapter1 研究の日々

Chapter1

Chapter2 研究者冥利

Chapter2