一般公開シンポジウム
「アートは脳の楽しみ」
日時:2015年1月24日(土)午前9:00開演 9:30-12:00
場所:大阪大学中之島センター2F講義室201
企画:大阪大学大学院医学系研究科 内藤智之・佐藤宏道
協賛:大和日英基金

司会:佐藤宏道(大阪大学)
講演者:
1)「芸術に対する感性の共通性と個人差」 内藤智之(大阪大学)
芸術作品を鑑賞した時に感じる複雑でとらえがたい直感的な心のはたらきは、観察者の感性を反映している。ある作品が多くの人に感動を与えることもあるが、好き嫌い、良し悪しの判断が観察者間で乖離する場合もある。すなわち感性には個人間で共通の普遍的な成分(共通感性因子)と、性別や文化、教育などの要因により個人間で大きく異なる成分(個人差因子)が存在することが予想される。ここでは、普遍的な共通感性因子に着目し、1)行動実験から共通感性因子を定量評価することが可能かを検討し、2)共通感性の言語化における個人差の有無の検討、及び3)共通感性を生み出す脳部位について、これまでの研究成果を報告する。

2)「脳活動からみる審美」 石津智大(ロンドン大学)
 神経美学が追求する問いは、非常に限局されたものである。すなわち、どのような脳内の働きが、わたしたちが美しさを感じることを可能にしているのか。美とは感覚である。そしてその感覚があることで、はじめてわたしたちは「美とは何か」という問いについて考えることができる。神経美学では、その感覚自体に対応する脳活動の解明を目指している。講演では、視覚芸術と音楽の美の体験に関わる脳活動、そして、美と並ぶ美学的概念である、崇高さの体験に関与する脳活動研究を紹介する。さらに、それらの感性的な判断を行う基盤となる脳の仕組みを、知覚的な(明るさ)判断と比較した研究を紹介する。

3)「絵画鑑賞と認知症」 吉山顕次(大阪大学)
 絵画といった視覚的な芸術を理解する上で、視覚の情報処理は重要な役割を果たす。認知症の中で、視覚の情報処理に異常があるため、幻視が出現し、絵画を見ても実際とは異なったものを知覚してしまうという症状を呈する、レビー小体型認知症という疾患がある。このレビー小体型認知症は、認知症の中で10~20%を占める疾患である。本発表において、レビー小体型認知症について、視覚の情報処理の異常を含めて紹介する。

4)「頭を使うのか、体を使うのかーさわるミュージアムが先導する”知”のバリアフリー」 広瀬浩二郎(国立民族博物館)
 ユニバーサル・ミュージアム(誰もが楽しめる博物館)を具体化するためには、①「マイノリティへの情報保障」、②「能動的な触察鑑賞」の二つが必要である。本発表では、まず①について、視覚障害者用に翻案された「さわる絵画」の実例を挙げながら、その問題点と可能性を述べる。ついで②について、米国における彫刻作品の「タッチツアー」の実体験に基づき、“さわる”とは「目に見えない世界を身体で探る手法」であることを実証する。

シンポジウムポスター(←クリック)


参加無料です。どなたでも事前登録をすることでご参加いただけます。
参加希望者はnaito@vision.hss.osaka-u.ac.jpまで「アートは脳の楽しみ参加希望」のタイトルで、お名前、ご所属をお知らせください。
当日参加は席(50席)に余裕がある場合に限り可能です。